初めての確定申告:起業直後に知るべき基本と判断ポイント

初めての確定申告:起業直後に知るべき基本と判断ポイント|Fukuoka Startax税理士事務所

初めての確定申告:起業直後に知るべき基本と判断ポイント

起業したばかりの個人事業主向け参考情報

こんにちは。福岡の創業法人専門Fukuoka Startax税理士事務所の林です。

実は、私たちは法人専門の税理士事務所なので、個人事業の確定申告には深く対応していません。ただ、これまで13年の実務経験の中で、起業したばかりの方が「個人で始めるか、最初から法人化するか」という分岐点で相談を受けることが多いんです。その時に「確定申告の基本を知った上で、判断してほしい」と感じることがあります。

今日は、参考情報という位置づけで、起業初年度の確定申告について、実務で目撃してきた「初めての人がつまずきやすいポイント」をお話しします。

そもそも、確定申告は「何をする」のか

確定申告という言葉を聞くと、ちょっと身構えてしまいますよね。でも、実質的には「1年間の事業の成績を税務署に報告する」という、ただそれだけなんです。

個人で事業を始めたあなたが、1月1日から12月31日までの間に稼いだお金、かかった経費、その結果いくら利益が出たのか。それを紙(または今はオンライン)で報告して、その利益に対する税金を納める。つまり、税務署に対する「通知表」だと思えばいいんです。

個人事業主が提出する書類は、実は「2つ」だけ

初めての人は「書類がいっぱいあるのかな」と心配になるんですが、個人事業主が提出する主な書類は、実際には「申告書」と「青色申告決算書」(または白色申告の場合は簡潔な書類)の2つです。

13年間、様々な起業者の相談を受けていると「実は、この2つさえ理解すれば、個人事業の確定申告はそんなに複雑ではない」ということがわかるんです。

領収書・請求書を保管する(事業開始から12月31日まで)

1年分の収入と経費をまとめる

決算書を作成する

申告書に記入する

税務署に提出する(期限:翌年3月15日)

起業初年度で「つまずきやすい」現実

この10年で、起業したばかりの方からの相談を受けていると、決まった落とし穴が見えてくるんです。教科書には載っていない、実務的なポイントなんです。

落とし穴①:「経費」の線引きが曖昧になる

最初、多くの起業者は「何が経費になるのか」で迷うんです。そして、迷った結果、「とにかく全部経費にしよう」という判断をしてしまう。これが、後々のトラブルの種になるんです。

事業に関連していれば経費にできるというのは、本当なんですが、「どの程度の関連性があれば『事業関連』か」という判断は、実は税務署によって見方が変わることもあるんです。

実際にあった相談

ある飲食店を始めた30代の経営者から、こんな相談を受けました。「初年度、売上は◯◯円だったのに、経費で◯◯円計上しているんです。利益がゼロに近いんです」と。帳簿を見ると、確かに経費が多かった。その中には「個人的な飲食代も『取材』という名目で全部入っていた」という状況だったんです。

この状況では、税務調査が入った時に「これは事業関連じゃないのでは」という指摘を受ける可能性が高いわけです。特に初年度は、経費の「質」がきちんと事業に関連しているかどうか、という点をチェックされやすいんです。

重要なのは、「その支出が事業を行うために『必要不可欠だったか』という判断なんです。グレーゾーンのものは、むしろ経費にしない方が無難です。

落とし穴②:開業届と確定申告のタイミングのズレ

もう一つ、実務で見かけるのが「開業届を出した日と、実際に事業を始めた日が違う」というケースなんです。

税務署に開業届を出すのは「ここから事業を始めます」という通知なので、その届出日が、税務上の「事業開始日」になります。ところが、実際には「1ヶ月前から事業を始めていた」という場合、その1ヶ月分の売上・経費を、どこに報告するのかで混乱が生じるんです。

実務的なポイント:起業を予定しているなら、「いつから事業を始めるのか」を明確にしてから、開業届を税務署に出すことが大事です。後からズレが生じると、翌年の確定申告が複雑になることもあります。

落とし穴③:「青色申告承認申請」を忘れている

これは、多くの起業者が「なぜそんなことで」と感じるかもしれませんが、実は重要なんです。

青色申告」というのは、個人事業主が「きちんと記帳しますから、その分、税制優遇をください」という制度なんです。認めてもらうには、事業開始から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に出す必要があるんです。

これを忘れると「白色申告」という、より簡潔だけど税制優遇がない制度で申告することになるんです。最初はいいかもしれませんが、事業が成長してくると「あの時、青色申告の手続きをしておけば、毎年◯◯万円の優遇があったのに」という後悔が生じることもあります。

青色申告(事業開始から2ヶ月以内に申請必須)

きちんと帳簿をつけることで、税制優遇が受けられます。利益から最大65万円の控除が受けられるなど、メリットが大きいです。ただし、帳簿をちゃんとつけることが前提です。

白色申告

帳簿のルールが簡潔で、初期負担は少ないです。でも、税制優遇がないため、利益に対する税負担が青色申告より重くなる傾向があります。

実務的には、多くの起業者には「青色申告をお勧めする」というのが、私の感覚です。

「個人で始める」と「最初から法人化」の分岐点

ここからが、実は私が話したかった重要なポイントなんです。

起業を考えている人が「確定申告の基本を理解した上で」判断してほしいのが、「個人事業主として始めるのか、それとも最初から法人を設立するのか」という決断なんです。

個人事業で確定申告する場合の「実務的な重さ」

個人事業の確定申告は、確かに「2つの書類」で完結します。ただ、その背景には、毎日の細かい記帳が必要なんです。

特に青色申告を選ぶと、領収書の管理、毎月の帳簿つけ、決算準備と、実務的な負担が増えます。「事業に集中したいのに、事務作業に時間を取られている」という話を、何度も聞いてきたんです。

実務的な現実:個人事業主の場合、利益が出れば出るほど、個人の所得税の税率が高くなります。例えば、利益が年間800万円を超えると、所得税の税率が40%近くなるんです。つまり、売上が増えるほど、税負担が重くなる仕組みになっているんです。

法人化を「いつの段階で」検討すべきか

実は、多くの起業者が「利益が出た後に、法人化しよう」と考えるんです。でも、実務的には「利益が見えてきた段階で、すぐに法人化を検討する」という判断の方が、税制的には有利な場合が多いんです。

なぜかというと、個人事業の段階で利益を大きく出してしまうと、その利益に対する所得税が重くなる。それなら、ある程度の利益が見えてきた段階で法人化して、法人税の仕組みに切り替える方が、長期的には税負担が軽くなるということなんです。

一つの判断基準:年間利益が300万円を超える見通しがついたら、「個人で続けるのか、法人化するのか」を専門家に相談する価値があります。実は、この判断は「税理士に相談すること」が、個人事業主にとって最も重要な選択肢なんです。

起業直後に「本当に大事」なこと

確定申告の仕組みを理解することも大事なんですが、実は、もっと大事なことがあるんです。

それは「1年間の事業の成績を、正確に把握しておくこと」なんです。確定申告は「税務署への報告」という側面もありますが、本来的には「あなた自身が、事業が上手くいっているのか、どこが課題なのか」を知るための作業なんです。

多くの起業者は「税金をいかに減らすか」に意識が向くんですが、実務的には「正確な経営データがあること」の方がずっと大事なんです。なぜなら、その正確なデータがあれば、来年の事業判断が変わるからです。

だからこそ、初めての確定申告をする時は、単に「書類を提出する」ということではなく、「自分の事業の1年間を振り返る」という感覚で取り組んでほしいんです。

「個人か法人か」を迷っているなら

これから起業を考えている人が、「個人で始めるか、法人化するか」で迷っているなら、実はこの段階で専門家に相談することが、一番効率的なんです。

なぜなら、その判断によって、今後の税務申告の形が決まるからです。そして、その判断は「単なる税務知識」ではなく、あなたの事業計画、成長のスピード、個人の生活設計など、多くの要素を含めて考える必要があるからです。

実は、私が「法人専門」という立場から、こうして個人事業の確定申告について書いているのは、他でもありません。起業した人が「個人でいいのか、法人化すべきなのか」という判断を、正しくしてほしいからなんです。

確定申告は、決して難しい制度ではありません。ただ、その向こう側には「あなたの事業をどう成長させるか」という、もっと大事な判断が隠れているんです。

福岡で創業を考えている、あるいは既に事業を始めている方で、「このままでいいのか」という疑問が少しでもあれば、専門家に一度相談してみることをお勧めします。その時に、正確な経営データがあれば、相談もスムーズですし、判断もしやすくなるんです。

Fukuoka Startax税理士事務所では、特に法人化を検討されている方のご相談をお待ちしています。参考情報という位置づけの今日の記事が、あなたの判断の「きっかけ」になれば幸いです。

参考情報の信用元:
本記事の情報は、国税庁タックスアンサー国税庁確定申告特設サイト、および中小企業庁の創業支援情報に基づいています。最新の税制情報については、必ず最新年度の国税庁サイトをご確認ください。個人の事業形態や所得状況によって、申告内容は異なります。詳細は専門家(税理士・会計士)にご相談ください。