創業計画書の具体的な書き方 初心者が陥りやすい失敗と対策

創業計画書の具体的な書き方|初心者が陥りやすい失敗と対策

創業計画書の具体的な書き方

初心者が陥りやすい失敗と対策

こんにちは、福岡の創業専門Fukuoka Startax税理士事務所です。

100社以上のサポートから見えた、実務的な書き方をお伝えします。

創業計画書を前にして、多くの起業家が同じ悩みにぶつかります。「何を書いたらいいのか分からない」「どのくらい詳しく書けばいいのか」「これで大丈夫なのか」

ですが正直に申し上げると、この悩みは「書き方のルール」を理解していないだけなんです。一度、構造を掴めば、誰でも説得力のある計画書が書けるようになります。

結論から言うと:創業計画書で最も重要なのは「あなたの事業を理解しているか」という一点です。数字は完璧でなくても構いません。大事なのは、その数字の背景にある「あなたの思考」が見えることなんです。

創業計画書の全体構成

1. 事業の概要
「あなたが何をするのか」を簡潔に。業種、事業内容、開業予定日、事業形態(個人/法人)を記載します。
2. 事業経歴書
「あなたがこれまで何をしてきたか」を説明。この事業に関連する経験、スキル、資格を記載します。
3. 取扱商品・サービス
「具体的に何を売るのか」「誰に売るのか」「いくらで売るのか」を詳しく説明します。
4. 売上見積もり
「初年度いくら売上を見込むのか」を月単位で予測。その根拠となる客数、客単価を示します。
5. 資金計画
「融資額はいくらか」「自己資金はいくらか」「合計でいくら必要か」を明記します。

各項目の具体的な書き方

1. 事業の概要:何をするのか

ここは「聞き手が1分で事業内容を理解できる」レベルの簡潔さが必要です。

ダメな例
  • 「カフェを開業します」
  • 「飲食店です」
  • 詳細がない
  • 差別化が見えない
  • 良い例
  • 「30~40代の働く女性向けに、カウンセリング付きの栄養ドリンクバーをオープン」
  • 「福岡市天神地区」
  • 「営業時間:朝7時~夜21時」
  • 「差別化:栄養士による食事相談」
  • 実際の書き方:

    「2025年3月、福岡市中央区天神に、ターゲット層は30~40代の働く女性向けの『栄養ドリンクバー』を開業する。既存のカフェと異なり、栄養士による食事相談サービスを付加し、健康志向の高い顧客層へアプローチする。営業時間は朝7時~夜21時で、ランチタイム及び帰宅時間帯の需要をカバーする。」

    2. 事業経歴書:あなたの強み

    「なぜあなたがこの事業をするのか」という根拠を示すセクションです。ここで初心者が陥りやすい失敗があります。

    失敗例:経歴の羅列

    「○○年に××会社に入社。営業部に配属。△△年に昇進。」という形で、経歴を時系列に並べるだけ。

    問題:「それがこの事業にどう活きるのか」が見えません。公庫の担当者は「この人は本当にこの事業を理解しているのか」と疑問に思います。

    成功例:経験と事業の関連性を明示

    「○○年間、△△会社の営業として、健康食品販売に携わった。その中で、顧客から『毎日忙しいので、栄養管理が難しい』という声を1000件以上聞いた。この課題を解決するために、栄養士による相談サービス付きのドリンクバーを開業する。営業経験で培った顧客ニーズの把握と、栄養学の基礎知識(〇〇資格取得)が、この事業の強みになる。」

    3. 取扱商品・サービス:具体性が命

    ここで「商品の詳細」「価格設定」「ターゲット層」の3つを明記することが重要です。

    • 商品の詳細「栄養ドリンク」ではなく、「〇〇メーカーの栄養ドリンク3種類、自社製造の低糖質スムージー2種類」と具体的に
    • 価格設定「栄養ドリンク:1,200円~1,800円」「スムージー:1,500円~2,000円」と、根拠のある価格帯を示す
    • ターゲット層「30~40代の働く女性、特に健康志向が高く月に5,000円以上を美容・健康に投資する層」と、購買層を限定

    4. 売上見積もり:根拠が最重要

    ここで初心者が最も失敗するセクションです。「希望的観測」で数字を作ってしまう傾向があります。

    失敗例:根拠のない売上予測

    「初年度は月100万円の売上を見込んでいます」

    問題:「どうして100万円なのか」という根拠がない。公庫は必ず「根拠は?」と聞き返します。

    成功例:根拠を示す売上予測

    「店舗は天神地区の駅から徒歩3分。周辺の人通りは平日1000人/時間、休日1500人/時間。取扱客層(30~40代女性)の比率は約30%。

    同業店の来客数(月500人)と比較して、差別化サービスにより月600人の来客を見込む。

    客単価は1,500円。月売上=600人 × 1,500円 = 90万円。初年度は開業周知が進むまで70%の達成率を見込み、初月50万円、3か月目で月90万円に達すると予測。」

    5. 資金計画:融資額と自己資金の構成

    この部分は公庫の最大の関心事です。「何にいくら使うのか」を明確に示すことが評価される唯一のポイントです。

    🏗️
    店舗改装費
    🍹
    厨房設備
    📊
    什器・家具
    💼
    運営資金
    📢
    開業広告費
    📜
    許認可取得費
    資金計画の具体例:

    総投資額:300万円

    店舗改装費:100万円(見積書あり)

    厨房設備:80万円(中古、既に購入済み・領収書あり)

    什器・家具:50万円(見積書あり)

    開業広告費:30万円(チラシ、SNS広告)

    初期運営資金(3か月分):40万円

    自己資金:100万円

    融資希望額:200万円

    初心者が陥りやすい5つの失敗と対策

    • 失敗1:市場分析がない「〇〇は流行っているから」という根拠。対策:実際の周辺調査、競合店舗の営業状況、顧客ヒアリングで裏づける
    • 失敗2:競合分析が甘い「競合店は少ない」と思い込む。対策:実際に周辺を歩き、全ての同業店を把握。各店の営業時間、価格、客層まで調べる
    • 失敗3:数字が希望的観測「このビジネスなら成功するはず」という感情で数字を作る。対策:現場調査に基づく保守的な見積もり
    • 失敗4:経歴と事業の関連性が不明「何となく始めたい」という印象を与える。対策:経歴の中から、事業に関連する経験を明示
    • 失敗5:返済計画が考慮されていない「売上が出れば返済できる」という楽観的な見通し。対策:初年度の営業状況を想定し、月々の返済能力を試算

    作成前チェックリスト