【ゼロから始める創業術 Vol.10】
生成AIとDXで、小さな会社こそ強くなれる
こんにちは、Fukuoka Startax税理士事務所の林です。
最近、創業者の方から「AIって、うちみたいな小さい会社でも使えるんですか?」「DXって何から始めたらいいですか?」という相談が本当に増えています。
正直にお伝えすると、小さい会社こそ、AIやDXを使うべきなんです。
大企業と違って、人手も時間も限られている。だからこそ、テクノロジーで補う必要があります。
「難しそう…」「お金かかりそう…」って思っていませんか?
実は、無料や低コストで使えるツールがたくさんあります。そして、使い方次第で、経営が劇的に楽になります。
今回は、100社以上の経営をサポートしてきた経験から、創業初期から使える生成AIとDXの活用法を、具体的にお話しいたします。
生成AIとDX、何が違うの?
まず、言葉の整理をさせてください。
この2つ、混同されることが多いのですが、実は少し違います。
【生成AI】
文章や画像、音声などを自動で作ってくれるAIのことです。
ChatGPT、Claude、Gemini(Google)、Copilot(Microsoft)などが代表例です。
例えば:
- 「お客様向けのメールを書いて」→ AIが下書きを作ってくれる
- 「この会議の議事録をまとめて」→ AIが整理してくれる
- 「商品説明文を考えて」→ AIがアイデアを出してくれる
【DX(デジタルトランスフォーメーション)】
デジタル技術を使って、業務のやり方そのものを変えることです。
紙の管理をクラウドに移したり、手作業を自動化したり。
例えば:
- 紙の請求書 → クラウド会計ソフトで自動作成
- Excelでの顧客管理 → CRMツールで一元管理
- 電話での問い合わせ → チャットボットで24時間対応
この2つを組み合わせると、すごいことが起きます。
例えば、「クラウド会計ソフト(DX)」+「AIによる仕訳提案(生成AI)」で、経理作業が10分の1になったお客様もいらっしゃいます。
「うちみたいな小さい会社には関係ない」は間違いです
よく聞くのが、「AIとかDXって、大企業がやることでしょ?」という声。
これ、完全に逆なんです。
大企業は、人手があります。お金もあります。
でも、小さい会社は違いますよね。社長が営業も経理もやってる。従業員は数人だけ。時間が全然足りない。
だからこそ、AIやDXが必要なんです。
実際にあったお話をいくつかご紹介いたします。
【事例1】飲食店オーナー(従業員3人)
予約管理を紙の台帳でやっていたのを、予約管理システム(TableCheck)に変更。
さらに、SNSの投稿をChatGPTで下書き作成するようにしました。
結果:予約管理の時間が1日30分短縮、SNS更新も週3回→毎日に増やせました。
【事例2】コンサルタント(1人事業主)
提案書の作成にChatGPTを活用。構成案や文章の下書きをAIに任せることで、作業時間を半分に短縮。
結果:提案書作成に3時間かかっていたのが、1.5時間に。浮いた時間で営業活動を増やせました。
【事例3】小売店(従業員5人)
在庫管理をExcelからクラウドツール(カラーミーショップの在庫連携)に移行。
お客様からの問い合わせには、よくある質問をAIチャットボットで自動回答。
結果:在庫確認の手間が減り、問い合わせ対応も夜間・休日にも対応できるようになりました。
どうでしょうか。
小さい会社だからこそ、効果が大きいんです。
創業初期から使える、具体的な活用例
「じゃあ、実際に何から始めればいいの?」という疑問にお答えします。
創業初期でも、すぐに使える方法をご紹介いたします。
【活用例1】問い合わせ対応を自動化
お客様からの問い合わせ、全部自分で返信していませんか?
よくある質問(営業時間、料金、サービス内容など)は、AIチャットボットに任せましょう。
- 無料ツール:ChatGPTの公式API、LINE公式アカウント+AI応答メッセージ
- 有料ツール:Zendesk、Intercom(月数千円〜)
これだけで、24時間365日の対応が可能になります。
【活用例2】経理・請求業務の効率化
紙の領収書を手入力してませんか?
クラウド会計ソフトを使えば、レシートをスマホで撮るだけで自動入力されます。
- freee、マネーフォワード、弥生会計オンライン
- 銀行口座やクレジットカードと連携すると、さらに自動化
私のお客様で、毎月3時間かけていた記帳作業が、30分になった方がいらっしゃいます。
【活用例3】ブログ・SNS投稿の作成支援
「SNS更新しないと…」って思いながら、なかなかできてないこと、ありませんか?
ChatGPTやClaudeに、下書きを作ってもらいましょう。
例えば:
- 「今日のランチメニューを紹介するInstagram投稿を考えて」
- 「新商品のキャッチコピーを5つ提案して」
- 「ブログ記事の構成案を作って」
これだけで、投稿のハードルが下がります。完璧じゃなくてもいいんです。下書きがあるだけで、続けやすくなります。
【活用例4】議事録やマニュアルの自動作成
会議の後、議事録作るの面倒ですよね。
録音してAIに文字起こしさせましょう。
- 無料ツール:Google Meet(自動文字起こし機能)、Zoom(有料プラン)
- 専用ツール:Otter.ai、Notta(月数百円〜)
文字起こしされたテキストを、ChatGPTに「議事録にまとめて」って頼めば、あっという間に完成します。
「難しそう」と思う方へ、第一歩の踏み出し方
「AIとかDXとか、自分には無理そう…」って思っていませんか?
大丈夫です。いきなり全部やる必要はありません。
【ステップ1】無料ツールを触ってみる
まず、無料で使えるものから試してみましょう。
- ChatGPT(無料版)を開いて、「明日の予定を整理して」って話しかけてみる
- Google Driveに書類をアップロードして、スマホからも見られるか確認する
- freeeの無料お試し版で、レシート撮影機能を試してみる
「触ってみる」だけでいいんです。最初は遊び感覚でOK。
【ステップ2】今一番困ってることに使う
「全部自動化しよう!」とか考えなくていいです。
今、一番時間がかかってること、1つだけ選んでください。
- 「経理作業が大変」→ クラウド会計を導入
- 「SNS更新が続かない」→ ChatGPTで下書き作成
- 「問い合わせ対応に追われる」→ よくある質問をテンプレ化
1つずつで大丈夫です。慣れてきたら、次のステップに進めばいいんです。
【ステップ3】使いながら、見直す
導入したら終わりじゃありません。
「これ、本当に便利?」「もっといい使い方ない?」って考えながら使ってください。
私のお客様で、最初はChatGPTを「メールの下書き」だけに使っていた方が、今では「契約書のチェック」「事業計画書の構成案作成」など、色々な場面で活用されています。
失敗しないための注意点
AIやDXを導入するとき、気をつけてほしいことがあります。
【注意点1】目的を明確にする
「便利そうだから」だけで導入すると、結局使わなくなります。
「何のために使うのか」を明確にしましょう。
- NG例:「AIを使いたい」
- OK例:「メール返信の時間を減らしたい」
【注意点2】完璧を求めない
AIは便利ですが、完璧ではありません。
AIの回答は、必ず確認してください。
例えば、ChatGPTが作った請求書の文面、そのままお客様に送ったらダメです。
必ず内容を確認して、おかしいところは修正する。これが鉄則です。
【注意点3】セキュリティに気をつける
クラウドやAIに、お客様の個人情報や機密情報を入力するときは要注意です。
- 無料版のAIには、重要な情報を入力しない
- クラウドツールは、必ず二段階認証を設定する
- パスワードは使い回さない
便利さとセキュリティ、両方のバランスを考えましょう。
■ 最後に
生成AIやDX、確かに最初は難しく感じるかもしれません。
でも、使わないともったいないんです。
私がサポートしているお客様の中で、AIやDXを積極的に使っている方は、明らかに経営が楽になっています。
時間が生まれて、その分を営業や商品開発に使えている。結果、売上も伸びています。
逆に、「自分には関係ない」って思っている方は、どんどん差がついていってます。
これ、本当に深刻な問題なんです。
大事なのは:
- 完璧を目指さない。小さく始める
- 今一番困ってることから、1つずつ
- 無料ツールで試してから、有料版を検討
- 使いながら、少しずつ慣れていく
「自分には無理」って思わないでください。
私も最初、AIなんて全然わかりませんでした。でも、使ってるうちに慣れました。誰でも最初は初心者です。
もし「何から始めればいいかわからない…」って思ったら、税理士に相談してください。
あなたの業務を見て、「ここはAIで効率化できますよ」ってアドバイスできます。
小さい会社こそ、テクノロジーを味方につける時代です。
一緒に、効率的で強い経営を目指しましょう。
【次回予告】
Vol.11では、個人事業主と法人、どっちにする?税理士が解説!お楽しみに!
