【ゼロから始める創業術 Vol.3】
事業計画書、どう書けばいい?(テンプレ付き)
こんにちは、Fukuoka Startax税理士事務所の林です。
Vol.1で創業融資の基本、Vol.2で面談対策をお話ししてきましたが、今回はいよいよ「事業計画書の書き方」です。
正直、ここで一番多くの人がつまずきます。
「何を書けばいいかわからない」「数字をどう作ればいいか困る」「結局、途中で手が止まっちゃう」…。こういう相談、本当に多いんです。
でも安心してください。事業計画書って、ポイントさえ押さえれば誰でも書けます。
今回は100社以上の事業計画書を一緒に作ってきた経験から、実際に使えるテンプレート付きで解説します。
事業計画書って、そもそも何のために書くの?
これ、意外と理解してない人が多いんですよね。
事業計画書は、単なる「提出書類」じゃないんです。
これはあなたの「信用証明書」です。
融資担当者が見てるのは:
- この人、ちゃんと事業のこと考えてるな
- 数字に裏付けがあって、現実的だな
- 計画的に動ける人だな
つまり、「この人にお金を貸しても大丈夫」って思ってもらうための材料なんです。
逆に言うと、事業計画書が甘いと「この人、本気じゃないな」「準備不足だな」って思われて、そこで終わりです。
事業計画書に絶対必要な6つの項目
よく「何を書けばいいですか?」って聞かれます。
基本的には、この6つを押さえればOKです。
- 事業概要 → 何をやるのか、誰に売るのか
- 市場分析 → 市場の大きさ、競合はどうか
- 事業戦略 → どうやって勝つのか、何が強みか
- 売上・利益計画 → 本当に儲かるのか(3年分の数字)
- 資金計画 → いくら必要で、何に使うのか
- リスクと対策 → 何が不安で、どう対処するか
「こんなに書くの!?」って思いました? 大丈夫、順番に説明します。
書くときに絶対外せない3つのポイント
100社以上サポートしてきて、うまくいく事業計画書には共通点があるんです。
【ポイント1】具体的な数字で書く
「売上は順調に伸びる予定です」じゃダメなんです。
「初月50万、3ヶ月目に100万、半年で150万を目指します」って具体的に書く。数字があると、説得力が全然違います。
よくあるNG例:
「たくさんのお客さんが来てくれると思います」→ 何人? いつ? どうやって?
【ポイント2】根拠を示す
「初月50万売れます!」って書いたら、「なんで?」って必ず聞かれます。
見込み客リスト、業界の平均単価、競合の実績…何か根拠がないと「この人、数字を適当に作ってるな」ってバレます。
実際、「根拠がない」で落ちる人、めちゃくちゃ多いです。
【ポイント3】現実的な計画にする
「1年で売上1億円!」とか書いちゃう人、たまにいるんですよ(笑)。
でも、担当者は「そんなわけないでしょ」って思ってます。
むしろ、少し控えめくらいの方が信用されるんです。
「最初は厳しいと思いますが、3ヶ月目から軌道に乗せたいです」って方が、リアルで説得力があります。
実際に使えるテンプレート
「具体的にどう書けばいいの?」って人のために、私がお客さんに渡してるテンプレートをそのまま載せます。
これに沿って埋めていけば、漏れなく書けますよ。
【1】事業概要
■ 事業名:(例)オーガニックカフェ「Green Table」
■ 事業内容:(例)無農薬野菜を使ったカフェ・テイクアウト販売
■ 提供する商品・サービス:(例)ランチプレート、スムージー、焼き菓子
■ ターゲット顧客:(例)30〜40代の健康志向の女性、近隣のオフィスワーカー
■ 事業の目的:(例)地元の無農薬野菜を広め、健康的な食生活を提案したい
【2】市場分析
■ 市場規模:(例)周辺3km圏内に約5万人、オーガニック食品市場は年5%成長
■ 競合:(例)近隣に一般カフェ3店、オーガニック専門店は1店のみ
■ 市場動向:(例)健康志向の高まりで、オーガニック需要は増加傾向
【3】事業戦略
■ 差別化要素:(例)地元農家と直接契約、メニューの7割が無農薬食材
■ 販売戦略:(例)SNS発信、地域イベント参加、法人向けケータリング
■ 提携先:(例)地元農家3軒、近隣企業のランチ需要開拓
【4】売上・利益計画
■ 初年度売上予測:(例)月平均80万円 × 12ヶ月 = 960万円
■ 原価率:(例)35%(食材費)
■ 粗利:(例)65% = 月52万円
■ 固定費:(例)家賃15万+人件費20万+その他10万 = 45万円
■ 営業利益:(例)月7万円(初年度は赤字覚悟、2年目から黒字化)
【5】資金計画
■ 初期投資:(例)内装工事300万、設備200万、保証金50万 = 550万円
■ 運転資金:(例)3ヶ月分の経費 = 135万円
■ 合計必要資金:(例)685万円
■ 自己資金:(例)200万円
■ 融資希望額:(例)485万円
■ 返済計画:(例)月5万円 × 10年
【6】リスクと対策
■ 主なリスク:(例)天候不良で食材確保が難しくなる、競合店の出店
■ 対策:(例)複数の農家と契約、冷凍保存の活用、SNSでファン作り
こんな感じです。
「え、こんなに詳しく書くの!?」って思った人もいるかもしれませんが、これくらい具体的に書けると、担当者も「ちゃんと考えてるな」って思ってくれます。
提出前に絶対チェックすること
事業計画書を書き終えたら、提出前に必ずチェックしてほしいことがあります。
- 抜け漏れはないか?
6つの項目、全部埋まってますか? 「あとで書こう」は絶対ダメです。 - 数字の計算、合ってますか?
売上と経費と利益、つじつま合ってますか? ここ、意外とミスが多いです。 - 第三者にチェックしてもらう
自分だけで見てると、おかしいところに気づきません。税理士や信頼できる人に見てもらうのが一番です。
私のところに「自分で作ったんですけど見てもらえますか?」って相談に来る人、結構います。
で、見てみると「あ、ここ計算間違ってる」「この根拠じゃ弱いです」って指摘すること、本当に多いんです。
提出前に誰かに見てもらうだけで、通過率は全然変わります。
■ 最後に
事業計画書、確かに大変ですよね。私のお客さんも、最初は「こんなの書けません…」って言う人ばかりです。
でも、ちゃんと作った事業計画書は、融資のためだけじゃなく、あなた自身の事業の道しるべになります。
「何となく」で始めるより、「計画通り」で始める方が、絶対に成功率は高いです。
時間はかかるかもしれませんが、ここを丁寧にやった人は、その後の経営もうまくいってる。
だから、面倒くさがらずに、しっかり作り込んでください。
もし「自分だけじゃ不安」って思ったら、遠慮なく税理士に相談してくださいね。
私たちは、そのために存在してますから。
【次回予告】
Vol.4では、「創業時に知っておくべき税務の基本」について、わかりやすく解説します。お楽しみに!
